成宮 寛貴(俳優) 

 
衣装協力:ANN DEMEULEMEESTER

<プロフィール>

1982年9月14日生まれ、東京出身。2000年、宮本亜門演出の舞台「滅びかけた人類、その愛の本質とは……」で俳優デビュー。その後も舞台「ハムレット」「KITCHEN」「お気に召すまま」(蜷川幸雄演出)出演、ドラマ「ごくせん」「高校教師」「オレンジデイズ」、映画「ドロップ」「ばかもの」など話題作に多数出演。2月11日公開の映画「逆転裁判」では主役の新米弁護士・成歩堂龍一を演じる。

■出会い

海外に行くと、教会と美術館によく行きます。教会はその国の宗教観や雰囲気が分かる気がするから。美術館は感性を磨くため。というより、単純に好きなんです。 展示室に入ると、まず好きな絵があるかな、と流して見ます。その中で、一番惹かれる絵をぎゅーっと見て、自分の中に落として、また次の絵に行く。そんな感じです。 最初にポロックを見た時は「何、これ?」と驚きました。ロンドンかニューヨークだったと思います。それから若い頃の絵を見たり、彼の生きた時代を想像したり。美術番組がポロックを取り上げた時は、放映時間に帰って、家でしっかり見ました。

■魅力

ポロックの絵は、ぞわぞわっと来ます。体の中の細胞が欲しがる絵ですね。抽象絵画なのに、そこに何かがありそうな気がする。その何かは目に見えないんですが。 「四つの図柄のあるパネル」(1934~38年頃、ポロック=クラズナー財団)だと、骨のようだったり、人の形だったり。妖しい色遣いにもひきつけられます。 自分の心の中は、まさにこんな感じだな、と思います。生きていく上では、多少なりとも汚い水を飲みながら、大人になってきていると思うんですけど、それでも進んでいかなければいけないし、自分を浄化して、誠実に生きていく必要がある・・・そんな気持ちにさせる絵です。 「インディアンレッドの地の壁画」(1950年、テヘラン現代美術館)は、ポロックの画風では一番有名なあたりですね。この絵は僕にとっては“害のない絵”。すごく衝撃的で、強くて、パワーをくれるんだけど、見ていて疲れないという意味です。この絵が好きだというのは、お化けが怖いというのと同じで、僕の遺伝子に組み込まれている感じ(笑) 決して枠に収まらない、枠を飛び越えていきそうな自由さも感じますね。人間は大人になると、責任が伴うし、遊び心や自由さをなくしてしまうけれど、何をするか分からない人の方がやっぱり面白い。ポロックも何が起こるか分からないライブ感を楽しんでいる。そこがポロックの絵の一番の魅力かもしれませんね。

■俳優として

アートを見ることで、自分のものさしや感性が磨かれると感じています。見るものから入ってくる情報はすごく大きい。僕は役作りも、実はビジュアルから入るタイプです。 三池崇史監督の映画「逆転裁判」(2月11日公開)に主演しています。原作はゲームですから、ゲームに近いビジュアルが目をひきますが、中身は濃密な人間ドラマです。最もパブリックな法廷の場で、プライベートな心の内側を話して聞かせる設定ですが、今回、三池監督はもちろん、髪形を作ってくださった方たちも本当に真剣で、裁判シーンにすんなり入っていけました。 僕たちの仕事は答えもないまま、やり続けないといけない。高い山だと思ったら、意外に小さかった時もあるし、自分の思っているところまで行けないと思ったら、もう一度、別の山に登らないといけない。そういう変化の時に、僕は真剣さを持った方たちと出会ってきました。蜷川幸雄さん(演出家)がそうです。 そういう真剣さを感じることと、アートで感性を磨いておくことは、絶対につながっていると思っています。

■展覧会に寄せて

会場に、ポロックのアトリエの再現があるそうですね。塗料の飛び散った床の感じは、どうしても見てみたい! ポロックの世界観を知るには必要不可欠ですよ。 もちろん日本で代表作に出会えるのは、本当にすばらしいことだと思います。

ポロックオフィシャルサポーター

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